異動する。
今いる教室からだ。
● 淡白に
告知したら、反応も淡白だ。
−えっと、俺、夏期講習から、違う教室になったから
−いやえっと、
−卒業パーティには、また、会えるわけだから
−次の理数の先生に頼れ、頼れ、以上。そんだけ!じゃ、気を付けぃ、礼!
・・・。
・・・。「だから、そんとき笑顔で再会できるように、ぜってぇ」
● 志望校=生徒一人一人の第一志望校に
合格してるんだぜ!
やるったらやるんだぜ!
ういーっす。だぜ!
誰なんだぜ!?
いちおう
● 自慢すると
教室平均点で、全社1位になったぜ数学。
理科もそれに準ずる。
イエーイ!
● てなわけだが
異動だ。あー。
頑張るのだ。
● 移動先の
教室には、当然、僕の前の理数の先生がいて、
僕が来ると同時に、辞めていくわけだ。
● その先生の
元に続々と届く、色紙、手紙、色紙、色紙、、、
各学年ごとに1、2種類ぐらい、色紙、手紙、色紙、手紙、色紙、色紙、色紙、、、
キーッ!
何なのかしらおすぎですっ!
● 僕には
辞めていく教室で
何もなく。
ええ。
● いや
そういうほうがいいのだ。
本当に好きになると別れ際、僕はそうなのかも知れない。
却って、
何もないようにして欲しいようなひねくれた気持ちになって、
相手が何もできないタイミングで別れを切り出そうとするのかもしれない。
だって
● 本当に
直前の教室の生徒はみんな好きだったから。
熱いし。
弱く。
強い気持ちや何かを持ち。
本当に好きだったから、逆に、
何かされそうだと、
色紙だろうが一輪の花だろうが
それで僕という精神が倒れそうで、
だからこそ、それを感じてたからこそ、生徒たちに何もさせないタイミングで
或程度意識せずに、別れを切り出した形だ。
僕はずっと変わってないのかも知れない。
● 酔ってる
去る教室の生徒がみな、素敵な人生を送ってほしいし、いま
往く教室の生徒を早く、一刻も早く把握し掌握し、
彼らにも、彼らの人生、未来というものに少しでも良いかたちで係わっていきたい。